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【採用担当者向け】離職率が高いと言われるWebデザイン業界で、優秀な社員が集まる会社の特徴と採用方法とは
Webデザイン業界は、離職する人が多いといわれる業界のひとつです。
短い納期やクライアントの要望変更によるストレス、長時間労働や低い報酬が離職の理由と言われていますが、果たして実態はどうなのでしょうか。
また、退職者が出た場合は新しい人材を採用する必要が出てきます。優秀な社員を集めるには、企業ではどのような会社制度や運用、採用手法が必要なのでしょう。
この記事では、Webデザイン業界での離職率について取り上げつつ、優秀な社員が集まる会社の特徴や採用方法について解説していきたいと思います。
目次
「Webデザイン業界の離職率が高い」は本当か
まずは「Webデザイン業界の離職率が高い」というイメージは事実に則ったものなのでしょうか?
厚生労働省が行った雇用動向調査によれば、情報通信産業界の離職率は全産業平均を下回っているという結果が出ています。
つまり、Webデザイン業界の離職率の高さはよく言われる話ですが、実際にはそこまで高いとは言えないということです。
ではなぜ、Webデザイン業界では「人が定着しない」「すぐ辞める」というイメージが強くあるのでしょうか。
それは、Webデザイン業界には固有の問題が関わってきているのではないでしょうか。
次からは、Webデザイン業界の問題の背景について考えてみましょう。
業界的には「高い」とは言いきれない離職率だけど…
厚生労働省の雇用動向調査によると、Webデザイン業界を含む情報通信産業界の離職率は全産業平均を下回っているという結果が出ています。
たとえば、令和3年(2021年)の調査を見ると、情報通信業界の離職率は9.1%。全産業平均の13.9%を下回っている ことがわかります。
参考元:厚生労働省(令和3年雇用動向調査結果の概況)
新しく仕事に就いた人(入職率)と、離職した人のデータでは、入職率の方が高いこともわかりました。
つまり、このデータだけを見ると、Webデザイナーは定着する人の方が多いということができるでしょう。
ただし、この数値は統計方法の影響を受けている点に注意が必要です。
この結果は大まかな情報通信業の傾向を示すものにとどまるもので、Webデザイン業界の姿を表していることではないことをふまえなければなりません。
情報通信産業とはどのような職種を指しているのか?
情報通信産業は、情報や通信技術を活用する産業のことです。コンピューターやインターネット、スマートフォン、通信機器などを開発、製造、販売などが該当します。
具体的には、 ITコンサルタント、Webディレクター・プロデューサー、システムエンジニア・プログラマー、そしてWebデザイナーなどの職種が含まれます。
Webデザイン業界の実態とその背景
情報通信産業の職種のひとつとなるWebデザイナーについては、一般的に次のようなマイナスイメージがあります。
- 給料が低い
- 労働時間が長く、残業が多い
- デザイン以外の業務も多い
- キャリアパスが限定的
- Webデザイン業界全体の将来性が乏しい
厚生労働省の雇用動向調査の離職の理由の1位は労働条件、2位は人間関係となっています。
これらの内容からも、潜在的に業界が抱えているマイナス背景が感じ取れるのではないでしょうか。
以下でマイナス背景の詳細について、解説していきます。
マイナスイメージその1:給料が低い
Webデザイナーの平均年収365万円(全職種平均401万円 )です。
これは、全ての職種平均より1割ほど低い水準となっています。
特に20代の若年層では、全職種平均より2割程度低いというデータもあるので、同年代の別職種と比べて給与面での不満が表に出やすい傾向はあるでしょう。
参考元:転職サイトdoda(デューダ)
マイナスイメージその2:労働時間が長く、残業が多い
デザインの仕事に関しては、Webに限らず残業が多いというイメージが根強くあります。
これは、デザインに明確な答えがないことにも起因しているので、ある程度は仕方のないことを割り切る必要もあるでしょう。
特に仕事に慣れていない若い世代は経験がない分、余計に多くの時間が必要となったり、繁忙期など仕事量の変動が大きくなったりすることも原因と考えられます。
マイナスイメージその3:デザイン以外の業務も多い
Webデザインをするためには、コーディングやプログラミングスキルが必要なこともあります。技術はなくても知識があった方がスムーズな連携が取れるため、勉強が欠かせません。
最近はマルチタスク化が進んでいるため、デザインだけが出来ても仕事にはならないということも珍しくないです。
また、クライアントやメンバーとのコミュニケーションも円滑にしておく必要もあります。
デザインが好きで、黙々とデザインだけがしたいという人にとっては、他にもいろいろやることが多い環境に苦痛を感じるかもしれません。
マイナスイメージその4:キャリアパスが限定的
Webデザイナーからキャリアパスをしようと考えた場合、Webディレクターやマネージャーなど全体をまとめる立場へステップアップするという流れが王道です。ディレクターの仕事内容は、企画立案やメンバーのタスク管理などを担うことです。
しかし、このような管理職的な仕事は、責任や負担が大きいためそれをストレスに感じる人も増えています。
また、業務負担に給料が見合っていないと感じて離職に繋がるパターンに繋がりやすいです。
マイナスイメージその5:Webデザイン業界全体の将来性が乏しい
以前はwebデザインの仕事は専門的な知識やスキルのある人だけのものというイメージでした。
しかし、最近ではノーコードで直感的にWebサイトが作れるサービスも普及して、専門家でなくてもWebデザインができる時代です。
また、最近大きな話題となったChat GPTなどのAI開発が今後も活発になっていくと予想されることから、webデザイナーの将来性に疑問を投げかける声もあります。
Webデザイン業界の変化
しかし、近年はwebデザイン業界にも変化が起こりつつあります。
新しい技術や、社会の変化に伴って、webデザイナーの働き方も変わっているからです。
起こりつつある変化には、次のようなものがあります。
- コロナ禍でリモートワークが出来る環境の拡大
- ノーコードでも高度なWebサイトが作れるサービスの増加に伴ったWebデザイナー領域拡大
- 情報通信産業全体でのフリーランス増加傾向
こうした社会的・技術的な変化に、採用担当者も適応していく必要があります。
変化に対応できれば、より良い人材に出会うチャンスも広がります。
さらに、離職率の上昇を抑えるヒントにも繋がるのではないでしょうか。
優秀なWebデザイナーが集まる会社3つの特徴
では、優秀な社員が集まり、離職率が低い会社はどんな特徴を持っているのでしょうか。
次のような特徴をまとめました。
これらの特徴に、自社が当てはまっているか、当てはまっていないとしたらどう改善したらいいのかのヒントとしてチェックしてみてください。
特徴1:職場環境がよく働きやすい
これは、厚生労働省の雇用動向調査における離職理由1位の労働条件(休日や労働時間等)の向上に対応しているということでもあります。
たとえば、あるWebデザイン企業では社員のワークライフバランスに配慮し、毎週水曜日はフレックスタイム制度を導入しました。
柔軟な働き方を選択できるようにすることで、社員は仕事とプライベートのバランスをとりやすくなります。
そうすると、家庭の事情などでこれまではフリーランスを選択せざるを得なかった人も、会社にとどまり会社の成長に貢献してくれる可能性があるのです。
その他にも、会社にとどまる積極的な理由を見出せるように、スキルアップにつながる制度を整備するなどの対策を取っている場合も長期的な雇用につながると考えられます。
リスキリングに繋がる教育支援制度や休暇制度の導入も効果があります。
特徴2:チャレンジングなプロジェクトに携われる
個人では携わることの難しい有名企業の案件や大きな予算のプロジェクトに関わることができるのは、会社員ならではのメリットでしょう。
仕事を通じて成長できているという実感や、業界の将来性を感じることができることも、離職を防ぐためには重要なポイントです。
加えて、ノーコードやAIなど最新のテクノロジーを導入しWebデザイナーの業務領域を拡げる活動を会社がバックアップすることは、社員のやりがいを育て長く活躍してくれる人材の確保に繋がります。
特徴3:自分のアイデアや意見が尊重され、成果に結びつく
たとえば、あるWebデザイン企業では、社員が自分のアイデアを提案しやすいように、「アイデアボックス」というシステムを導入しました。
これは、アイデアを紙に書いてボックスに入れると、部署や年次に関係なくどんなアイデアも上層部に伝えることができるシステムです。
気軽に意見を出し合える環境を整えることで、コミュニケーションも活発になり、居心地のいい会社作りを実現しました。
また、社員同士の交流を促進するために、ランチタイムに社員が集まって話をする「ランチトーク」という取り組みを実践している企業もあります。
離職理由の上位にあるのは「人間関係」の部分に対してしっかり対応することで、社員の満足度を高め離職率が下げるという好循環を生み出しています。
離職率を下げる効果的な採用のポイント
ここまで離職率の低い会社の特徴を紹介してきましたが、より重要なのは自社とのマッチング率が高い人材を採用することです。
どんなに優秀な人材であっても、希望する働き方であったり、給与面や人間関係がうまく合っていないとすぐに退職してしまいます。
うまくマッチングする優秀な人材を採用するためには、次の2点を意識してみるとよいでしょう。
採用ポイント1:ポートフォリオや実務経験をチェックする
Webデザイナーの採用では、必ずポートフォリオや実務経験を確認します。
ここで、得意とするデザインの傾向を知ることができます。
また、どのくらいのデザインスキルがあるのかということも分かるでしょう。
また、制作時間を知ることで、入社後の仕事効率などもある程度は予想ができます。
もし、ポートフォリオに制作時間の記載がない場合は、面接の際に聞くようにしましょう。
採用ポイント2:コミュニケーション能力をチェックする
チームでのコミュニケーションやアイデアの出し合い、クライアントとの折衝が必要になることも少なくないため、きちんとコミュニケーションが取れる人材であるかのチェックも欠かせません。
コミュニケーションが苦手という人は、不満があっても言葉にせず限界を迎えるというパターンが非常に多いです。結果として、何も言わずに退職してしまうということになりかねません。
しっかりと話ができていれば、改善できたのに…ということも多々あります。
採用の時点で自社に合ったコミュニケーション能力があるかを見極めることは、離職率低下に効果があるでしょう。
まとめ
調査の結果、Webデザイン業界の離職率の高さというのは、マイナスイメージが先行しているのではないかと感じました。データを見る限りでは特別に離職率が高いというわけではありません。
しかし、求職者と企業側のマッチング率が低ければ、離職に繋がりやすいことは確かでしょう。また、これから人材獲得が難しくなる中、何もせずに自社に合ったwebデザイナーが来てくれることはありません。
まずは、自社に必要な人材を定義し、それに合った採用方法を考えてみましょう。
また、定着率を高めるための改善も怠ってはいけません。
優秀な社員が集まる会社には、社員のワークライフバランスやキャリアアップ支援に取り組んでいるという特徴がありました。
また、社員のアイデアや意見を尊重する風土を醸成し、チームビルディングをするなど社員のコミュニケーションを促進することも重要となります。
社会や業界全体を取り巻く環境を確実にとらえるためにも世の中に目を向けた幅広い視野を持つ必要があります。
そのためには、経営層や人事担当者が率先してアンラーニングやリスキリングに取り組むなど、社内の環境改善に努めるのもいいかもしれません。






